雙林寺は文安4年(1447)の創建。寺伝によれば、「雙林寺の開山、月江正文和尚が、開基である白井城長尾景仲に招かれて入山した際に持参したカヤの数珠の一粒を記念に播いた」ものが成長してこの木になったとされている。
現在でも、結実する果実に数珠玉のように糸の通るほどの穴が開いている。「開山のつなぎカヤ」といわれ、雙林寺の七不思議の一つである。
○千本カシ 県指定天然記念物。ブナ科コナラ属のアラカシ(別名:マルバカシ)
「この樹を切ったり枝を取ったりすると、住職か寺に必ず災難が起こる」と言われ、絶対に
切れない。雙林寺の七不思議の一つである。
古い株から「ひこばえ」が出て生育したものといわれ、根元は一株で、十数本の支幹が叢生している。
・カヤは、北原白秋の「カヤの木やま」や野口雨情の「カヤの木」など童謡に歌われている。雌雄異株の常緑針葉樹の高木で、宮城県以南の本州、四国、九州(屋久島まで)。朝鮮、中国、北米に分布する。
年輪が目立たず、耐久性、耐湿性に優れ、建築材、器具材、土木用材などに使われる仏像彫刻や碁盤にも重用され、奈良正倉院の宝物の碁盤もカヤ材である。
・アラカシは、耐寒性が弱く、群馬県では珍しい樹種である。
国道17号線を渋川から沼田方面に向かい「子持入口」交差点を左折し、中郷小学校を経て1.4kmほどで雙林寺に至る。