○日枝神社は鎌倉時代、桐生氏の始祖桐生六郎が近江国日吉神社の分霊を勧請したのが始まりで、南北朝日訓顯応元(1350)桐生城を築いた桐生氏中興の祖、桐生国綱が神祠を建立し、神木としてクスノキ5本を献じたことから社号を御殿山王宮と称したと伝えられる。
明治5年(1872)社号は日枝神社と改められた。
神社の境内に、クスノキ4本とカヤの木がうっそうと茂り、小規模ではあるが、さながら照葉樹林帯のような林相を見せている。
○クスノキの苗は陰樹で寒さに弱い。このため現在の群馬の平地では、大変育ちにくい。関東平野は、本来、暖帯の葉樹林帯に属し、昔は付近に森林も多かったので、クスノキも風や寒さから保護されて育ったものと思われる。このスノキ群は、かつての林相をしのばせる残存林として貴重である。
○楠、樟 別名クス。古くから神社などに植えられ巨樹が多い。日本最大は、鹿児島県蒲生町の「蒲生の大クス」幹周が24.2mある。樹皮は樟脳の原料にされた。
桐生市街地中央を抜ける県道68号線を桐生川に沿って北進すると梅田湖方面に向かう。梅田町1丁目の交差点を過ぎて800m進むと左手に看板がある。左折して狭い道を進むと神社境内の駐車場に着く。