昭和60年(1985)に環境庁が認定した日本名水百選に選ばれた湧水は、水温は年間通じて13.5℃で、日量約3万トンもの豊富な湧出量を誇っている。
箱島湧水の伝説
その昔、原町の善導寺に第2世円光上人という僧侶がいた。怨敵に追われた木部宮内少輔の北の方(円光上人の母)が突然たずねてきて四方山話をした。やがて、円光上人は母が追われている身とは知らず、翌日何気なく別れを告げたが、それが最後の別れとなり、北の方は「息子とも会えてもうこの世に思い残すこともない」と榛名湖に向かい、侍女とともに入水して果ててしまった。その後、榛名湖に大蛇が棲むという話が取りざたされ、大蛇は北の方の化身だと思われるようになった。そこで、供養のため北の方の位牌を榛名湖に納めたところ大蛇騒ぎは治まり平安がもどった。その後その位牌が箱島の湧水から流れ出てきたという。 この位牌は今も箱島不動尊に納められている。
駐車場から不動尊へ行く途中ロックヒルダムを渡る
明治43年(1910)県内初のこの形式のダムが完成し、箱島水力発電所が始動して待望の電灯がこの地区に灯った。このダムは中央部に洪水吐けが位置するという珍しい形式だといわれている。現在も近代化遺産としてそのまま保存されている。
日本名水百選に選ばれている 箱島湧水はこの大スギの根元から湧き出している。
不動尊のご神木として、大スギと並んで、それぞれ樹齢300年、200年、100年になる3本のスギの巨木と、樹齢500年、樹高40.0m、幹周6.20mのケヤキの巨木がそびえている。
渋川から吾妻方面に向い吾妻川の右岸側(ひかげ道)を行く県道「渋川悟妻線」の箱島地内で「箱島湧水」の案内標識を左折して約1kmほど沢沿いの急坂道を上ると駐車場に至る。駐車場から徒歩で約200m。