自動車道沿いの街路樹のような位置に生育しているクワの巨樹で環境は良くない。もとは3本の幹からなっており、明治43年(1910)の台風で倒れて2本になったともいい、また、落雷で裂けて2本になったとも言う。
クワは養蚕の神として群馬の象徴である。ヤマグワは、霜害に強く災害時に農民を救ったといわれ、養蚕の神として大切に保存されてきた。ヤマグワは通常養蚕には使用しないが、飼料不足のときに使用した。
養蚕は、中国では3000年前から行われ、古代の四川省ではクワは神木とされていた。
利用は、葉は蚕の飼料、若葉はテンプラ、緑葉はクワ茶に。果実は生食(ドドメ)果実酒になる。樹皮は布、ロープ、和紙の原料に。甘皮は桑酒。クワ染(黄色)の染料になる。根の皮は利尿剤、下剤、咳止め剤。材は光沢があり貴重材で工芸品に用いられる。
国道17号線を渋川から沼田方面に向かい、「下郷」の交差点を左折し、上越線踏切の手前にある。