群馬県内の小中学校にはメタセコイヤの木が多く植えられている。しかしながら、その由来を明確に伝承している所は少ないのではないだろうか。 当委員会の古い記録に、一行の記載があった。 「皇太子ご成婚を記念し、県内の学校公共施設などに1,600本のメタセコイヤを配布し、昭和34年4月10日を中心に記念植樹を行った。」 この皇太子とは、平成の天皇、現上皇陛下のことである。 この記載から、当時の新聞を見ると、4月10日ご成婚の日に、群馬県庁では知事をはじめとして各課長が県庁内にメタセコイヤを10本植えた記事があった。 また、小学校などの記録誌を見ると、4月10日に記念植樹を行っている記載がいくつか見つかった。 その中で、富岡市立一之宮小学校では3本のメタセコイヤを記念植樹したとあったので、現在は運動場となっている、旧一ノ宮小学校跡を訪れたところ、現在でも3本のメタセコイヤが残されていることが確認された。 そのほか、藤岡市の鬼石小学校や鬼石北小学校、旧藤岡小学校跡の藤岡中央公園でも確認された。 また、渋川市立赤城北中学校には、メタセコイヤの由来を記載した看板もあった。 残念ながら、学校の建て替えや倒木の恐れから伐採されたことを確認できたものもあった。
群馬県内にどれだけのメタセコイヤが残されているか、不明であるが、植栽された日【1959年(昭和34年)4月10日:現在樹齢62年】、ご成婚の記念という由来のわかる木として、これからも残っていて欲しい。