巨樹古木一覧

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コラム

巨樹・古木と社寺
巨樹・古木は神社、寺院の境内で大切に守られているものが多い。
社寺においては巨樹・古木が信仰の対象になっている。神社においてはご神木として注連縄が張られ、崇敬の念を示し、大切にされているものも多い。ご神木は、関係書籍によると、天を衝く高木、途方もない大きさの巨木、人の寿命をはるかに凌駕する古木に神性を見出したことに始まったとある。今回の調査でも、巨樹・古木の株元に江戸期の年号が彫られた石祠、石像などが置かれたものがあり、巨木、古木への信仰を見ることができる。ご神木はスギ、クスノキ、ケヤキなどの日本に自生する樹木が多い。スギは、常緑の樹木で天に聳え立つ樹形から神様が降臨するための神憑木としての位置がある。クスノキやケヤキは樹高もさることながら、圧倒的な樹冠の大きさから神性が感じられたのかもしれない。また、クスノキは西日本に多い特徴があり、自然植生と関係があると考えられる。
寺院においてはカヤやイチョウが大切にされ、巨樹・古木が残っている。実が食用にできたり、油が搾れることなど救荒植物としての価値があったとも考えられる。ところで寺院ではご神木とは言わない。そこで、ご縁起木としたらどうかと思い、旧知の住職に伺ったところ不都合は無いとの教示を受けたので、今回はご縁起木と表記させてもらったものがある。
(寄稿 金澤好一)

参考文献 矢野憲一・矢野高陽 「楠」(ものと人間の文化史)法政大学出版局 2010年

写真は、相俣のさかさザクラ(みなかみ町)の株元に祀られた石仏。文化2年(1805年)の銘がある。